環境マネジメント
Environmental Management
目指す姿
近年、気候変動やエネルギー・資源の枯渇などさまざまな環境問題が深刻化しています。持続可能な社会の実現に貢献し、かつ企業として持続的な発展をめざすためには、長期的な視点でこれらの課題に対応しながら、豊かな価値を提供し続けていくことが重要と考えます。当社は、”事業活動が社会・環境に与える影響に対する責任(CSR環境経営)”と”事業活動を活かし社会課題解決への貢献(CSV環境経営)”の2つの視点から環境経営活動の実践を目指します。


当社が製造している半導体製品は、豊かな社会の発展に必要不可欠な部品として人々の暮らしを支え、優れた省エネ性能や小型・軽量化によって製品使用時における温室効果ガス排出量削減にも貢献しています。一方で、半導体は製造過程において多くの電力や水・化学物質を使用するため、製造過程の環境負荷を抑制し、ピークアウトさせていくことは半導体製造会社の重要な課題です。当社では東芝グループが策定している「環境アクションプラン」に基づき、中長期計画を立て、”気候変動への対応”、”循環経済への対応”、”生態系への配慮への取り組み”を実行していくことで、社会課題の解決に貢献する製品の創出・拡大と環境負荷抑制・ピークアウトの両立を実現していきます。
事業プロセスを通じた環境負荷低減
半導体製品は社会の技術進歩を支えるキーデバイスとして持続可能な社会の実現に貢献しています。一方で、大規模な生産設備を必要とする半導体事業は、製造過程において多くの電力や水・化学物質を使用します。環境負荷の低減のためには、製品の設計・開発段階から、材料の調達、製造過程、そして製品創出後の環境負荷低減についても、ライフサイクル全体で取り組む必要があります。
[各段階における取り組み]
製品設計・開発段階での取り組み | :製品の小型化に伴う材料削減や軽量化、工程数の削減、省エネ性能の高い環境調和型パワー半導体の開発など |
材料の調達段階での取り組み | :環境負荷の少ない素材や材料等の採用、取引先への環境リスク低減の依頼など |
製造段階での取り組み | :電気・水・薬品などの使用量の最適化や省エネ機器の導入、廃棄物削減、大気・河川への有害物質排出防止など |
製品使用段階での取り組み | :パワー半導体の省エネ性能による環境負荷低減など |

環境ビジョン
東芝グループでは2020年11月、カーボンニュートラルや循環経済への対応などグローバルな視点に立った新たな長期ビジョンとして、「環境未来ビジョン2050」を策定し、当社でも中長期目標を定め、事業活動を行っています。「環境未来ビジョン2050」は「豊かな価値の創造と地球との共生をめざした環境経営を通じて持続可能な社会の実現に貢献」することを目的とし、持続可能な社会、すなわち脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会の実現をめざします。2050年の「あるべき姿」に向けて「気候変動への対応」「循環経済への対応」「生態系への配慮」の3分野への取り組みを推進しています。なお、「気候変動への対応」については、バリューチェーン全体におけるカーボンニュートラルに向けた取り組みを更に加速させています。

環境経営推進体制
当社は気候変動への対応をはじめとする環境課題への対応を経営の最重要課題の一つと位置付け、環境保全責任者をトップとした重要な環境課題の管理・対応を行う環境経営体制を構築し環境経営活動を展開しています。

環境マネジメントシステム ISO14001の認証
当社は東芝デバイス領域グループの一員として、事業プロセス全体を包含したグローバル統合環境マネジメントシステムを構築し、ISO14001(2015年版) の認証を取得して環境経営活動を推進しています。今後も、グローバル統合環境マネジメントシステムに基づき、事業方針と整合した省エネ・省資源製品の創出及び提供により社会課題の解決に貢献すると共に、組織が環境に及ぼす影響を最小限に抑え、地域特性に配慮した環境コミュニケーションや生物多様性保全を行うなど、積極的な環境経営活動を展開していきます。
ISO14001等 認証取得 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 | 日本 (semicon-storage.com)
計画と実績
東芝グループ第8次アクションプランを踏まえた、当社の環境パフォーマンスの計画および実績です。
2024年度は、お客様からの旺盛な需要に応えるための増産投資などの影響で、一部目標について2022年度実績値に対して環境負荷が増える見込みですが、省エネ活動の継続や新たな環境技術の導入などの施策を積極的に積み上げることで、環境負荷の削減に向けて継続して努力していきます。
気候変動への対応 | ||||||
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環境項目 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | ||
計画 | 実績 | 計画 | 計画 | 計画 | ||
CO2排出量削減 | 削減量 (t-CO2) | 768 | 1,006 | 704 | 783 | 916 |
PFC排出量削減 | 排出量 (千t-CO2) | 32.9 | 29.0 | 30.6 | 31.9 | 35.8 |
循環経済への対応 | ||||||
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環境項目 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | ||
計画 | 実績 | 計画 | 計画 | 計画 | ||
廃棄物総発生量削減 | 発生量 (t) | 3,406 | 3,241 | 3,615 | 3,688 | 4,283 |
生態系への配慮 | ||||||
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環境項目 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | ||
計画 | 実績 | 計画 | 計画 | 計画 | ||
水受入量削減 | 受入量 (㎞3) | 3,973 | 3,574 | 3,829 | 4,153 | 4,823 |
化学物質環境排出量削減 | 排出量 (t) | 175 | 146 | 155 | 179 | 208 |
生物多様性活動推進 | 年2回 森林整備活動 | 年2回 森林整備活動 | 年2回 森林整備活動 30by30目標*への 貢献 |
年2回 森林整備活動 30by30目標*への 貢献 |
年2回 森林整備活動 30by30目標*への 貢献 |
*生物多様性に関する新たな世界枠組みである「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で定められた目標の一つ。2030年までに生物多様性の損失を食い止め回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとするもの。